認知症の人とコミュニケーションを取る方法。世界観を理解する
こんにちは、いくぞうです。
復活シリーズ第12回目です。


今回の記事は復活させるかどうか迷いましたが、
一応実際の体験したことではあるので、
誰かの役に立つかもしれないということで復活させます。
2015年に書いたものです。


ここからだよ!!
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以前、認知症のご年配の方と
触れ合う機会がありました。


そのときにいろいろ考えさせられたので、
今回はそのことについて書いていこうかと思います。


僕はこれまで、認知症という単語は知ってはいましたが、
「う~ん、なんか忘れっぽくなるやつ?」みたいに、
ざっくりとした認識しかありませんでした。


実際に関わってみると、思った以上に
深刻な病気であることがわかります。

例えば

・5分前に言われたことを覚えていない
・同じことを何十回、何百回と繰り返して言う
・基本的に”覚える”ということができない
・いきなりワケのわからないことを言いだす
・会話のつじつまが合わない
・いきなり立ち上がってうろうろしだす
・目の前のあるものなんでも口に入れる


など、病気の進行度によって、症状は様々ですが、
いずれも”記憶”と関係しているところは
共通していると思います。


上記のような症状から、認知症になると、
その人単独だけで生活するには様々な危険が伴うので、
介護が必要になってくるわけです。


で、僕は実際に介護というかそれに近い現場で
1日過ごしてみましたが、なかなかいい体験になりました。


そこで印象に残っているのが、

認知症の方が何かをやって、職員の方がそれを注意して、
認知症の方が感情的になったら、職員の方も感情的に
なってしまい、お互いにヒートアップしている場面でした。


僕はそれを見てて、 ん? と思ったわけです。


あんまりこんな機会ないので、
これを機に少し認知症について調べてみました。

それで分かったのが、やっぱり認知症の方の行動も
何かしら理由があってのことだということです。


つまり、記憶力も思考力も衰えていない、
僕たちからすると、認知症の方が起こす行動は
理解し難いものがありますが、


それらの行動全ては、本人からすると、
何か理由に基づいたものであり、
理に適っているものだということです。



なので、認知症の方の行動を
こっちの判断で感情的に叱ってしまうと、


本人からしたら、
ちゃんと理由があって行動しているので、
納得できずに、不機嫌になったり、怒ったりするのです。


じゃあどうしたらいいのか?って話ですが、

認知症の方の思考と健常者である職員の思考で
どちらが安全に過ごせるのか?となると


それは考えるまでもなく“職員の方”となるわけですが、
だからと言って、ただ頭ごなしに
認知症の方の行動を否定しては、


認知症の方は納得せず、
言うことを聞かない可能性がありますよね。


そこで重要になってくるのが“世界観”です。


まず、理解しないといけないのが、
僕たちはそれぞれ自分の考えをもっているわけですが、
例えそれは認知症であっても例外ではないということです。


要するに、叱ったり、注意するなら

“どんな理由でそんな行動をとっているのか?”

というところを理解してから、
注意なりなんなりしないといけないと思うのです。


例えば、僕が実際に関わった、認知症の方数人の中に
座っていたのに、いきなり立ち上がって、
周囲を徘徊しだす方がいらっしゃったのですが、


その方に向かってただ単に、
「座っといて!」と言っても、


はぁ?みたいな顔をするか、なにかブツブツ言いながら、
なかなか言うことを聞いてくれないわけです。


言うなれば、
おまえ頭おかしいんじゃねえのか?的な
視線をこちらに向けてくるときもあります。


ちょっとマニアックな例を出しますが、
昔、SIRENというホラーゲームがあって、
その中に、”屍人”という怪物がでてくるのですが、


こっち、つまり主人公側である人間がその屍人を見ると、
もちろん怪物に見えるわけですが、
屍人側からすると人間が怪物に見えるのです。


お互いがお互いに怪物に見えるわけですね。


ちょっと乱暴ですが、認知症の方と健常者でも
同じようなことが言えるのではないかと思うのです。


健常者側からすると、
理解不能な行動を取る“認知症の方は異常”だと思い、
注意するわけですが、


認知症の方からすると、
自分はちゃんと理由があって、行動を取っているのに
それを否定する“あいつは頭がおかしい“と思うわけです。


なので、健常者側がやらないといけないことは、
認知症の方の思考までカバーしていくこと
だと僕は感じました。


ちょっと話がずれてしまったので、
先ほどの徘徊の話に戻しますが、


なかなか座らずうろうろする認知症の方に
僕は「なんで立ったんですかー?」と
聞いてみると、

その方が
「いや、仕事なのよ」と答えてくれたので、


なるほどと。


どうやら、この方の世界では、

“今現在、自分は仕事をしている”

という認識で過ごしていることが予想できました。
なので、その方の中では、

“仕事をしているから座っちゃいけない”

という考えが発生してしまったからこそ、
椅子から立ち上がっていると考えられます。


それらを踏まえたうえで、
この方に椅子に座ってもらうためには、

“仕事をする必要がない”

ということを
理解してもらえばいいのではないか?と考え、


僕はなかなか徘徊をやめないその方に

「俺がやっとくからいいよ~座っといて~」

と言ってみたら、その方が

「あ、そうなの?じゃあお願いね。」

と納得して、自分から椅子に座ってくれたので、
なんとか、うまくハマッたようです。


このように、本人の世界観に合わせた回答をすることによって
そのままストレートに注意するより
数倍は言うこと聞きやすくなると思います。


もちろん今回はたまたま1発でうまくいったので、
それが通らなかったら、また別の回答を考えて
ぶつけていく必要はありますけどね。


ですが、これはある程度コミュニケーションが成り立つ場合に
使えるので、認知症が進行しすぎて、
言葉もろくにしゃべれない場合は厳しいかもしれません。



2往復ぐらいの会話が成り立つレベルなら
この方法は使えると思います。


なので、認知症の方と関わる上で大事になってくるのは、
その人の世界観をいかに把握できるか?
ってところだと僕は思います。


多分どっかのタイミングで、一回は認知症の方と
関わるときくると思うので、
そんときは思い出してみてください。


“世界観”というキーワードを。


他人を完全に理解することはできないけど、
理解しようとすることはできる。


これが僕の考え方です。
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おしまい

なに最後かっこつけてんだって感じですね。

今回の記事は介護について書いた記事ですので、
非常にセンシティブとういかデリケートな問題だとは思うので、
これを読んでご不快に感じられた方は申し訳ありません。